サワディー チェンマイ
1年間のボランティアスタッフとしての勤務が、あと3日で終わります。
この1年間、毎朝家から職場までの通勤途中、働いている時間帯に誰かとすれ違った時、必ず聞かれていた挨拶があります。それは「ギン カオ ルイヤン?(ご飯食べた?)」
タイ人は食事がとても大事な人たち。お腹が減っていること=とてもかわいそうなこと。なので、「おはよう」や「お疲れ様」の代わりに、「今日はちゃんとご飯食べたの?おなかすいてない?」という気遣いの気持ちを込めて、「ギン カオ ルイヤン?」と聞いてくれます。今日、何回その声をかけられたか、カウントしてみました。
①縫製スタッフのキットさん
縫製場の外で、さき織りを担当しているキットさん。今朝も朝から織ってました。朝寒くなってきたチェンマイなので、あったか使用のジャンパーとマフラー、マスクも着用。「写真撮るよ」と言ったら、マスクを外してキットスマイル。
毎朝の挨拶で、いつもかわいいコロコロの笑顔で話しかけてくれます。
②大工スタッフの棟梁チャイさん
ギン カオ ルイヤン?代表のチャイさん。会うたびにギン カオ ルイヤン?を絶対に聞いてくるので、1日に3回ほど聞かれることもあります。そして答えも待つタイプなので、「ギン レオ カー(もう食べました)」と言ったら「ギン アライ(何食べた)?」、「ヤン マイ ギン(まだ食べてないです)」と言ったら「タンマイ?(なぜだ?)」という返しがついてきて、ごはんに関する会話が続くのです。チャイさんに会ってこの会話をするのが毎朝の日課。チャイさんに会えない朝は、なんだか物足りない気分になってしまうくらいの、癖になるギン カオ ルイヤン?です。
③ホシハナマネージャーのタグさん
タグさんは、「ヤン マイ ギン(まだ食べていません)」を言うと、「じゃあ、スペシャルサンドイッチを作ってやる!」と張り切って作ってくれるので、本当にお腹がすいている時は少し甘えて「ヤン マイ ギンー」と言います。でも毎回は申し訳ないので、1カ月に一回くらい。
④ホシハナスタッフのインちゃん
ホシハナヴィレッジの料理長なだけあって、朝一番の挨拶は「ミク、ゴハンタベタ?」と、片言の日本語で話しかけてくれるインちゃん。ホシハナで働き出してから少しずつ日本語を覚えていっている彼女は、少しだけ日本語単語を話せます。でも、仕事終わりに必ず、「コンバンハー!」と帰っていくのが、間違っているけれどもかわいくてついつい正さずに、私も「コンバンハ―!」と返していた1年間。タイ語だとおはよう、こんにちは、こんばんは、お疲れ様、おやすみ、挨拶全部が「サワディー カー」なので、仕事終わりは夜、だからコンバンハ!と覚えているインちゃんに、間違っているよ、と教えてあげるのも難しい。
⑤食堂のおばちゃん ルンさん&ワーンさん姉妹
姉妹で子供達とスタッフのご飯を用意してくれているルンさん&ワーンさん。「ギン カオ ルイヤン?」にプラスして、「アン ニー マイペット(これは辛くないよ)」と、「カイジャーオ ギン マイ?(卵焼き食べる?)」も毎日のように言ってきます。日本人=卵焼きあげれば喜ぶ、と思っている様子。確かに、卵焼き、好きです。
この1年間で、少し、タイ語が話せるようになりました。
最初は子供達とも全然会話ができなかったけれど、今は、子供たちには私から、「ギン カオ ルイヤン?」と聞けるようになりました。バーンロムサイで働いて、日々の暮らしの中にあたたかいコミュニケーションが常にあること、そのおかげで、日本を離れていても、ちっとも寂しくない1年間でした。出会えたすべての人達に、ありがとう。サワディーチェンマイ!
番外編 ①タラちゃん
番外編 ②バブー
「ミー アライ ギン バーン?(なんかごはん、ない?)」と聞いてくるやつら。「コート― マイミー アライ カー(ごめんね、何もないんだ)」と答えるとこの反応。タイでは動物も食がとても大事なようです。
井村未来 | 2017/01/16(月)
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