バーンロムサイチェンマイ事務所 屋根張り替え
バーンロムサイチェンマイ事務所 兼 ボランティアスタッフの住居として使っている建物は、バーンロムサイが土地を購入した際には既に建っていた建物で、おそらく築22-23年経っています。チーク材と石材で建てられた美しい建物で、ホームに見学に来られた方からもよく「きれいな建物ですね」「めずらしいですね」と声をかけられます。
しかし、20年という時の流れには逆らえず、数年前から屋根の張り替えの話が何度も出ていたそうですが、今年張り替えなければ、次の雨季には雨漏りがするだろうというところまできてしまいました。
そこで、今年の雨季までに屋根を張り替える決定がなされたのですが、もしも同じチーク材にしようと思ったら目が飛び出るようなお値段!しかも、木の瓦なら、将来的にまたいつかは張り替えなければならないということで、タイで一般的な波型の瓦に張り替えることとなりました。
ちょっと寂しい気もしますが、実用性を考えると最善の選択と言えるでしょう。
チーク材の瓦をはがすのは、専属大工チームの仕事。しっかり釘で打ちつけられた瓦をはがすのは、見た目以上の重労働。2月12日に作業を開始しました。2月はまだ1年で一番暑い時期ではないと言っても、昼間の陽射しはきついです。
ワイルドに上から投げられた瓦たち
アンティークの業者さんに買い取ってもらいました。再利用されると思ったら嬉しいです。
全ての瓦をはがすのに、1週間ほど、その後、骨組みを解体し終わるまでさらに1週間ほどかかりました。この解体の期間は、ものすごい埃で、マスクが手放せませんでした。仕事中、一日に何度も上から埃の滝…けっこうきつかったです…
骨組みだけになった屋根。この屋根のない期間は、直射日光をまともに受けた部屋は異様に暑く、屋根というものの大切さを身に染みて感じました。
大工チームのロンさんとポンさんは、昔からこの近くに住んでいる大工さんで、この建物が建てられた時の大工チームのメンバーでもあったそうです。「まさか自分がこの屋根を解体することになるとは思わなかったよ」とポンさんが感慨深そうに話してくれました。
乾季のうちにと始まった工事でしたが、上の写真のように屋根が全てはぎとられ、丸裸になったまさにその日、風と雷が…台風が来るぞー!と誰かの声が遠くに聞こえる…
2階に住んでいるスタッフ2人のうち1人は私ですが、「きゃー!チャイさんたちも帰っちゃったし、どうしたらいいのー!」とパニック。私の部屋にはその時も天井がありましたが、もう一つの部屋は天井も張り替えるために、部屋から直に空が見える状態。
ああ、どうしよう、どうしよう…とうろうろしていたら、そこに颯爽と(「颯爽」という言葉はこのような状態を言うのか!と感心したくなるほど颯爽と)チャイさんが現れたのです!
その手には、青いビニールシートを持って!ヌンを引きつれたチャイさんがあっという間に屋根全体にシートをかけてくれました。チャイさん、カッコ良すぎ!!!
(後日聞いたところによると、一刻を争う事態だったので、このビニールシートはお金も払わず、ツケにしてもらって、お店から品物だけ持ってきたそうです。)
やきもきしながらしばらく過ごしましたが、結局その日は雨は降らず。
しかし、翌日近所に住む友達から「昨日は久しぶりに雨が降って、この時期にしては珍しい大降りだったね」とメッセージが来て、びっくり。さらにノイさんからは、「大雨と風で、雹が降ったところもあるのよ」と聞かされ真っ青。近所でそんなことが起きていたとは…。バーンロムサイ周辺だけ雨が降らなかったなんて奇跡としか言いようがありません。やはりここは、何か見えない力に守られている場所なんだろうなあ…と改めて思ったことでした。
解体作業が終わった後は、業者に頼んで新しい屋根をつけてもらいました。
新しい屋根を張る作業は1週間ほどで終わり、新しい天井もついて、全ての作業が終わったのは、工事開始から3週間と3日でした。ほぼ1カ月の大工事。
大工さんたちと業者の方のおかげで、事務所は新しく生まれ変わりました。
埃との戦いの日々が終わり、避難生活も終わり(他のスタッフの家に居候していました)、夕方部屋に帰ると…暑くない…また快適なバーンロムサイでの生活が戻ってきました。
山下曜子 | 2018/04/03(火)
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