さよならヌックニック
5月15日、ヌックニックが父方の祖父母に引き取られました。ヌックニックは、2013年8月にバーンロムサイにやってきたので、ここで暮らして約5年になります。
2013年8月
2歳のヌックニック
2013年11月 左から2番目
ぽっちゃりしていてかわいい
2014年5月
左
2015年1月
左の列の前から2番目
おじいさんおばあさんは、ヌックニックは父親と暮らしていると思っており、ヌックヌックが孤児院で暮らしていることを知りませんでした。ヌックニックの母親は彼が幼い頃に亡くなっています。ヌックニックの父親も数年前に亡くなったのですが、おばあさんたちはそれまでヌックニックはずっと父親と一緒に暮らしていると思っていたのです。
息子(ヌックニックの父親)が亡くなった時に、孫が孤児院で暮らしていることを初めて知り、自分たちで育てたいという申し出がありました。そこから長い時間をかけて国立孤児院による調査が行われたのですが、最終的に養育能力があるということが認められ、おじいさんおばあさんに引き取られることが決定しました。
ヌックニックがおじいさんおばあさんのところに行くことは、数ヶ月前に決定していましたが、タイでは学期途中の転校が難しいとのことで、5月の新学期に合わせて、この時期になりました。
男子寮で爪を切る男の子たち
普段と変わらないように見えても、
なんだかみんなそわそわしていました。
サーサーとネンが書いてくれた手紙を読む
ヌックニック
ヌックニックがおばあさんのところに引き取られることは、1ヶ月前には本人にも伝えられましたが、分かったような、分からないような・・・7歳のヌックニックがどのぐらい自分の状況を認識できたかは分かりませんでした。
おじいさんおばあさんといっても、おそらく彼の記憶にある範囲では会ったことがないはずなので、ヌックニックにとっては、おばあさんの家に行く当日が初対面。
プレー県は、チェンマイからは車で3時間以上かかる未知の世界。初めての場所に連れて行かれ、初めて会う人と「今日から一緒に暮らすんだよ」と言われる。自分がそういう状況に置かれているということは、実際には当日その現場に行って初めて分かったのではないでしょうか。
コムさんと握手
みんながお小遣いを出し合って集めたお餞別を
ベンさんが集計中
荷物を確認
なぜか電池の入っていない
おもちゃのリモコンも入っていました。
いつも三日月形の目でにっこり笑い、ちょっと高いかわいらしい声で話しかけてくるヌックニックですが、この日は緊張のためか笑顔は全くありませんでした。周りの子どもたちもそわそわした様子でした。
サーサーからの手紙には、「ヌックニック、身体に気を付けて元気でね。良い子にしてね。先生、お父さんお母さんの言うことをよく聞いてね」と書いてありました。
レックさんと
メー美和と
みんなで
みんなとお別れをして、緊張の面持ちで出て行きました。ウェウ先生、ベンさん、コムさん、ダムさんで送っていきました。
後で、おばあさんの膝に抱かれたヌックニックの写真を見ましたが、おばあさんはとても優しそうで、ヌックニックを見つめる眼差しは愛情にあふれていました。息子を亡くしたおばあさんにとって、孫のヌックニックは可愛くてしかたないはずです。おじいさん、おばあさんの他に、村には多くの親族が住んでいるそうで、みんなにかわいがってもらえることと思います。
おばあさんの家でバーンロムサイのスタッフと別れる時には泣いていたヌックニックですが、この年齢ならすぐに新しい環境にも馴染めると思います。ちょうど学校も始まる時なので、毎日忙しく、新しい友達もできて、楽しく過ごせるでしょう。
ヌックニックの幸せをみんなで祈りました。ヌックニック、きっと幸せに!
山下曜子 | 2018/05/21(月)
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