ダムフア 2019
今年もホームでダムフアの儀式を行いました。
ダムフアは、タイのお正月ソンクラーンの時期に行う儀式で、年長者に旧年中の非礼を詫び、感謝の気持ちを伝え、年長者から祝福してもらうというものです。ホームでは、ソンクラーンが明けてから、4月末に行うのが恒例となっていますが、日はいつもチャイさんに吉日を選んでもらいます。今年は、4月26日に行いました。
まずはガジュマルの木の祠にお参りします。
子どもたちを交通整理するコムさん。
お供え物を持って控える美しき2人
プレオさんもフォーさんもカレン族です。
今年は、バーンロムサイが始まって20周年の年ということもあり、卒園生同士連絡を取り合ってくれたのでしょう。誘い合って、おおぜいの卒園生が来てくれました。平日だったので、みんな仕事を休んで来てくれたのだと思います。
土地の精霊たちに日頃の感謝を伝えます。
静かで神聖な時間
食べ物、飲み物、お花などを供えます。
布も新しく巻き直します。
精霊へのお参りが終わったら、プレイルームに移動して、バーンロムサイのみんなのお母さんであるメー美和へ感謝の気持ちを伝える儀式に移ります。
これまでは、子どもたちからメー美和の手に聖水をかける方式を取っていたのですが、床がびしょびしょになってしまうので、今年は年少者からメー美和にジャスミンの花輪を贈り、メー美和が祝福の言葉をかけながら、頭に聖水をかけるというスタイルに変えました。
子どもたち、ホームのスタッフだけでなく、
ホシハナ、縫製場のスタッフも全員集まります。
こちらも美しき2人
ペンとジンダー
余談ですが、、、これは、2017年4月のダムフアの時の写真。私がバーンロムサイに来て、まだ2ヶ月ちょっとの頃。この頃は、年長の女の子たちはみんな思春期(反抗期)で、なんでも斜に構えたような態度でした。私から話しかけても、挨拶してもほぼ無視され、カメラを向けてもだいたいこんな感じでした。「この先この子たちと口をきくこともないかもしれないけど、それならそれでいい。少しでもこの子たちの役に立てるならそれが本望だ」と決意した頃でした。
あれから2年の時が経ち、、、私もバーンロムサイに来て早3年目。3回目のダムフアでした。上のペン、ジンダーの笑顔を見ると、そんなことをふと思い出すのです。
美和さんとウェウ先生の付き合いも、もう約20年。これまでたくさんのことを一緒に乗り越えてきた絆が感じられました。
次に、小さい子どもたちから順番に、メー美和に感謝の気持ちを伝えます。
3歳になったピーマイ
ピーマイのお姉ちゃんのイム
最近まるまる肉付きが良くなってきました。
ピーマイのお兄ちゃん、イムの弟タイタン
いつもニコニコご機嫌さん
えらい丁重に頭を下げているスープサーン
長いこと考えたものの、
結局何も言えなかったエーク
最近上の前歯の抜けたテンクワー
実は、バーンロムサイでのダムフアが今回で最後になる子どもたちがいます。チョーク、チャイ、ノン兄弟はおばさんに、モーモー、サーサー姉妹もおばさんに引き取られることになっています。本人たちにも既に伝えていて、この夏休み中にはホームを出て、おばさんの家に行くことになっています。
三兄弟は、一応喜んでいるような感じですが、サーサーは行きたくないと泣いていたそうです。モーモーもこの話をする時に笑顔はありません。みんなまだ赤ちゃんの時にここに来ているので、親戚のことは覚えていないはずです。慣れ親しんだ場所から突然知らない場所、知らない人の所に連れて行かれるのは不安で寂しいだろうと思います。しかし、これも私たちの方で決められることではないので、幸せを願って送り出してあげるしかありません。
もじもじして何も言わないチャイ
こちらももじもじ系チョーク
お兄ちゃんのノンはきちんと話せました。
ニコニコ笑顔のサーサー
ネンは次中学2年生
急に大人びました。
この夏休み縫製場のアルバイトを
頑張ったアーパーイ
なかなか難しいお年頃ですが、
やはり笑顔が似合うペット
彼の表情やしぐさからはいつも
優しさが溢れています。
そして、ホームにいる間の最後のダムフアを迎えたのはベンとペン。2人は、高校を卒業し、6月から大学生になります。大学の入学金も納め、一人暮らしの部屋も予約しました。これから身の回りの物をそろえ、5月末に引っ越しをします。やはり、これから始まる新生活にうきうきしているようで、2人とも毎日楽しそうです。
ここ数年は、2人がホームの男子女子それぞれ最年長ということで、下の子たちをまとめ引っ張ってくれました。いろいろな問題行動?もありましたが、私が見ているこの2年間だけでも、2人の成長は目を見張るものがありました。
大学生活が始まって、2人がまたどんなふうに変わっていくか分かりませんが、素敵な青年、女性になっていくことを期待したいと思います。
ベン、いろいろありました。。。
でも、終わり良ければ全て良し。
最初は笑顔で感謝を伝えていたペンですが、
途中からこらえられなくなって涙が、、、
美和さんも、横で見ている私も思わず
もらい泣きしてしまいました。
おまけの写真…2006年のベンとペン
卒園生もみんな頑張っています。遠くにいて来られない子もいましたが、チェンマイにいる子たちは集まってくれました。
ガノック
アルバイトもしながら、
大学生活頑張っているようです。
昨年、縫製場を退職して今はカフェで
働いているダーオ。彼女も大人になりました。
保母さんの中ではいちばんのベテランのレックさん
本当に頼りになる保母のリーダーです。
大工の棟梁チャイさん
全員の写真が載せられないのが残念ですが、一人ずつメー美和とお話をしました。今年のダムフアは、卒園生がおおぜい来てくれたこと、その他それぞれにドラマのあるダムフアだったので、いつもより家族のつながりを感じる、あたたかい時間が流れているように感じました。
メー美和からも子どもたちに激励の言葉、
スタッフに感謝の気持ちを伝えました。
みんな集まるとこんな大家族!
お互いに感謝の気持ちを伝え、改めて家族の大切さを感じる、タイのお正月の素敵な習慣だと思います。この気持ちをいつも忘れずにいたいものだと思いました。
一人祠に祈りをささげるペン
山下曜子 | 2019/04/29(月)
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