ゲン
これはゲン(15歳になったばかり)が描いたレースカーの絵。ゲンの将来の夢は「レーサーになること」です。
他の子どもたちの「なりたいもの」にはその年の「流行り」があって、誰かが「お菓子屋さんになりたい」と言うと、お菓子屋さんになりたい子が続出。学校の先生やら、獣医さんやら、子どもたちの「将来なりたいもの」は移ろうばかりですが、ゲンは何年も前から一貫して「カーレーサー」。何度訊いても「カーレーサー」。まったくブレがありません。最近はラジコンカーの改造も始めたりして、レーサーへの道を邁進しているかのようです。
でも、きっとゲンは中学卒業後チャイさんに弟子入りして大工さんになるでしょう。ゲンには大工になる素質があるからです。迷いがないこと。理屈ではない直感的な、揺るぎない信念があること。ゲンの普段の言動を見ても、シラパ(美術)教室での創作活動を見ても、それは明らかです。チャイさんがそんなゲンの素質を見出し、それを活かす手助けをしてくれるであろうことも、また間違いありません。近い将来、ゲンがチャイさんチームに加わって、「ケケケ」と笑いながら(「ケケケ」笑いはゲンのトレードマーク)大工道具をふるっている姿が目に見えるようです。
ゲンは今、中等部の特殊学級に通っています。文字も時計の針も十分に読めませんが、サッカーのコーチをしているスタッフのダムによると、ゲンのサッカーの技術は大したもので、目を見張るほどの頭脳プレーをするそうです。ロムサイFCの選抜チームにも残っています。もしかして、サッカー選手になる道もある? ・・・というのは大げさだとしても、将来ゲンが大工仕事をしながら、休日に好きなサッカーをしたり、カーレーサーになることを夢見たりすることができれば素敵だなと思います。
そして、実はゲンにはもう一つ才能が。
似顔絵描きです。
食堂でマンゴスチンを食べている私と、スープを飲んでいるメー洋子の似顔絵をケケケと笑いながら、さらさらさら〜っと描いてくれました。似てるでしょ?
あ、もう一つありました。
ご飯の食べ方がいちばんきれいなのもゲンです。フォークとスプーンさばきは芸術的。
ゲンの食べた後のお皿にはいつもご飯粒一つ残っていません。
笑顔もとってもかわいいんです。機嫌が悪いなんてことも滅多にないし、何かをする時の集中力もものすごい。ゲンのいいところ、挙げだしたら切りがないので、今日のところはこの辺で!
大塚 美里 | 2012/06/09(土)
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