ペン、ジンダー、ニサ―、アーパーイの一日
一昨日の美和さんの日記にもあった通り、ホームのコックさんが先月末、つまり3日前に突然辞めてしまいました。新しいコックさんが見つかるまでの間、大人たちは手弁当を持ってくるなり、近くの食堂で食べるなり、自分たちでなんとかすることになりましたが、子どもたちの食事は基本的に保母さんが作ることになりました。もともとコックさんが休みの日曜日の食事は保母さんたちが作っていたのです。しかも、今は夏休み中。子どもたちにお手伝いをさせるにはもってこいです。子どもたちも、中学生以上の子どもは毎朝交代で自分たち全員分の朝食を作っているので、食事作りは慣れたもの。一昨日と昨日はゴイが中心になって、年長の女の子たちが総出で食事作りのお手伝いをしました(男の子たちはロムサイFCの合宿でチェンライに行っているので今週中は不在です)。昨日のお昼のカーオソーイは子どもたちだけで作ったそうです。
さて、今日はそのゴイたち中学生以上の子どもたち全員が一日外出することになり、ホームに残った子どもはちびっ子6人の他はペン、ジンダー、ニサ―、アーパーイの4人だけ。まだ朝食作りを担当したことのない年少組です。せっかくの機会だからと、保母のティムさんがこの4人を食材の買い出しから手伝わせることにしました。
今日の昼ご飯のメニューはあんかけ麺です。麺を炒める係はジンダー、野菜を切って茹でる係はニサ―、あんかけソースを作る係はペン、アーパーイはお皿の用意やその他雑用全般です。朝食作りこそまだしていないものの、普段から保母さんや兄姉たちの食事作りを見たり、ちょっとは手伝ったりしているので、4人ともなかなか手際よく作業をこなしていきます。
おいしそうなあんかけ麺が出来上がりました。
が、これを食べられるのはまだ後。まずはちびっ子たちに食べさせてからです。
食べ終わった子から手を洗わせ、口をゆすがせて、
子ども部屋に連れて行きます。
ちびっ子たちはこれからお昼寝です。
ちびっ子たちがこぼしたご飯くずを掃いて、
やれやれやっとお昼ご飯にありつけます。
4人だけの食堂。がらーん。
「ねえねえ、今日お手伝いを一所懸命やったら、夕方のハンドン市場のお祭りに連れて行ってもらえるかな?」
デザートは子どもたちの大好きなカオニアウ・マムアン(熟したマンゴーとココナッツで炊いた餅米)です。ちょっと値の張るデザートなので、子どもたちにとっては「ご褒美」です。果物の中ではマンゴーがいちばん好きだというペンは嬉しそうに頬張っていました。
食事の後は休む間もなくキッチンの冷蔵庫の大掃除。
そして夕食の準備。
と、お手伝いは続きます。
夕食は鶏のホーモック(鶏のミンチをバナナの葉の器に入れて蒸したもの)とカイナーム(卵焼き入り薄口スープ)でした。カイナームは家庭料理の代表格、、、というよりも、何もない時や時間のない時によく作る子ども向けのスープ。「手抜き料理」とも言えてしまうので、レストランのメニューに登場することはまずありません。でも、タイの子どもたちは優しい味のこのスープが大好きで、大人になってから食べることがあると、昔お母さんが作ってくれたカイナームの味とともに、子どもだった頃が懐かしくなるような、そんなスープだそうです。
卵を焼いているニサ―。
何枚かは焦がしてしまったそうです。
カイナーム
ホーモックを入れるバナナの葉の器を作ったのはペン。
夕ご飯の出来上がり。
この後は昼食の時と同様ちびっ子の世話をして、シャワーを浴び、ゆっくりと自分たちの作った料理を味わうのかと思ったら、、、一人また一人と風のように食堂に現れ、慌ただしく食事をかきこんで、風のようにハンドン市場のお祭りに出かけて行きました。おめかしだけはばっちりとして。おかげで、「4人揃ったら写真を撮ろう」と構えていた私はまんまと撮り損ねました。
一日の労働の代価として市場のお祭りに連れて行ってもらえたペン、ジンダー、ニサ―、アーパーイの4人。心地よい疲労感に包まれながら、今夜は安らかな眠りにつけることでしょう。一日お疲れさまでした!! また明日も頑張ろう!
大塚 美里 | 2013/04/03(水)
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