トップ >写真日記 > イープン
バーンロムサイって? | 代表 名取美和より | 団体について(基本情報) | バーンロムサイの活動 | これまでの活動の成果 | これからの目標と活動計画
ご支援ください | 子どもたちの紹介 | スタッフ紹介 | 写真日記 | 見学/訪問 | メディア掲載情報

イープン

ちょうど日本で大雪が降った頃、3週間ほどチェンマイに行っていましたが、滞在中とても印象に残った事がひとつ。

新作のかぎ編みネックレスのサンプルを作っている途中、材料を持ち歩いて事務所と縫製場を行き来していた時、女の子達が晩ご飯を一緒に食べようと誘ってくれたので、大きな机でタイ語を教わったり、それぞれが好きな子の写真を見せてくれたりとワイワイ食事をした後のこと。

アーパイが編み針を取り出し“初めてのかぎ編み”らしくぷるぷる力が入った手つきでチェーン編みを始めたので「あ、同じだね!」とネックレスを見せたら、それまでちょっと斜に構えていたペンちゃんが「メー(お母さん)これ、日本に持って行くの?」と聞くので「そう!これを沢山作って日本で売るのよ」と説明したら「そうだよね…。メーたちはこれをイープンで売って、そのお金をバーンロムサイに持って来るんでしょ。(←ここまではタイ語&勉強中の英語+語尾の「desho」は日本語。ここからは姿勢を正して、なんと、日本語で→)アリガト、ネ。」う…。ちょっと感動。わかってないようで…ちゃーんと分かってる彼女たち。

ホームに居ると日々耳にする言葉“イープン=日本(人)”。日本では意識しないけれど、ワークパーミットやイミグレーション関係。日本から一歩外に出た瞬間、当然の事ながらどこへ行っても“外国人”。子ども達からメーイープン(yhipphunと聞こえる…)と呼ばれる“日本人のお母さん”。習慣の違い、感覚の違い、言葉の違い。

その国の文化に習慣や感覚があれば言葉も存在するけど、例えばドイツ語。
日本人の感覚で「甘える」とか、「いただきます」とか…がドイツ語には存在しないので、遠回りにくどくどと説明するしかないのが、もどかしい。起きた出来事を説明するのは比較的簡単だけど、感覚的な事や感情などを説明…いや、それよりも「だよねー!」と“共有”できる状況になるまでが…ことの外難しい。

一昔前、海外に行くたびに開口一番、必ず聞かれる事があった。ポルトガルでもアイスランドでもアメリカ…ドイツでも。「こんにちは、どこから来たの?」→「日本から」→「へぇー。日本人はなんでクジラを食べるの?」…、、、以前旅をした中国やベトナム、ラオス、ミャンマー等アジア圏ではされない質問なので、どうして西洋諸国は開口一番にくじら???と不思議に思った。

自分からは頼まないけど、竜田揚げが出された時は美味しく食べていた私。これといって鯨イルカ問題は意識しておらず。実態も論点も実情もイマイチ理解してないまま、なんとなくスルーしていました。が、先日図書館で題名が衝撃的だったので「白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由」という本が目にとまり…気になっていたテーマだったので一晩で読破。
一方的な情報だけで物事を判断して決めつけてしまう事は避けたいし、正しいか正しくないかを判断するのではなく、物事を取り巻く様々なことを知った上で、自分なりの意見を持っておく事が大事だな、と…何度も質問されて気になりながらもこのテーマを放っていた自分に反省。

また、この本を読んで印象に残ったのが、西洋人と日本人の「感覚の違い」。
説明や弁解をせずに口を閉ざしてしまう事が多い日本人ですが、それを潔く清く感じて、理解できるのは日本に住んでいる人だったら、言わずもがな共有している背景があるから。けれども…異なる文化を持った人たちは自分たちの常識や考え方に当てはめて勝手に解釈するので…、え、それって勘違いだし、不利!?な事が多々出て来てしまう。歴史上の大きなターニングポイントでも…ちゃんと理解してもらえるよう、なんでもっときちんと説明しなかったのだろうか?と思うこともあるし、、、もどかしい。

3.11以降は「なぜくじら?」が「なぜ原発?」と言う質問に代わりましたが、国の境なく情報が行き来する時代だからこそ、これからはそれぞれが、物事や行動の背景にある考え方や、想い、その“心”を伝える事が今以上に大切に、重要になってくるはず…。

ただモノを作って売るのではなく、その背景や想いを少しづつ説明、発信してゆこう。
よくスタッフ間でも出る話に「色々な事、事業を同時に動かしているので、なかなか全貌を説明するのに時間がかかる…」自分たちの中ではとてもクリアに目標を持って動いているけれど、全体の説明が複雑になりがち…言葉足らずな自分こそ、最もどかしいのだが…日々成長と思っているので、子どたちと共に引き続き見守っていただければ幸いです。

思いを巡らせて長ったらしくなりましたが、どこかでお会いする機会があれば、ぜひバーンロムサイのこと、商品のこと、素材、織り、編み、子どもたち、ホームのこと…現地プロジェクト…気になって聞いてみたかったこと、何でも根掘り葉掘り質問してください!

綿の糸を藍で染め、ヘンプと合わせてかぎ網に。手仕事チームの山の子たち、毛糸がないからか?2本での棒編みはできませんが、クロシェは得意。

メーイープンに手紙を書く子どもたち。カードのセレクトにも力が入る。

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
*バーンロムサイ鎌倉店が7周年を迎えます。これも、日ごろの皆様の支えあってこそ。本当にありがとうございます。3月19日(水)感謝の気持ちを込めまして、7周年記念イベントを実施致します。鎌倉ではあまりお見せする機会がない「バーンロムサイの紹介ビデオ」や、タイの山岳民族のコーヒー、ちょっとしたお食事などを準備してお待ちしています。18:30〜スタートですので、日頃営業時間内に間に合わない方も、ぜひ遊びにいらしてください!
http://blog.banromsai-shop.com/

| 2014/03/15(土)

前の写真日記:リス族の子たち次の写真日記:ももさんと手漉き紙工房へ

写真日記一覧へ戻る

特定非営利活動法人(NPO法人)
バーンロムサイジャパン
〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色1423-1
Tel. 046-876-6209 Fax. 046-876-6219
info@banromsai.org
www.banromsai.jp
Ban Rom Sai
23/1 Moo 4 T.Namprae, A.Hangdong,
Chiangmai 50230 Thailand
Tel. +66-53-022245 Fax. +66-53-427434
Banromsai(Thailand) Co.,Ltd.
246/1 Moo 3 T.Namprae, A.Hangdong,
Chiangmai 50230 Thailand
Tel. +66-63-158-4126
Copyright © 2011 ban rom sai. All Rights Reserved.