3年間の子どもたちの成長 ~2~
【ソーン】(6歳)
2019年5月に来たばかりの頃は優等生キャラでしたが、だんだんと腕白ぶりを発揮してきました。周りの子どもにすぐに馴染む社交性があり、なんだかんだ世渡り上手な気がします。
【メー】(9歳)
もともとしっかり者のメーですが、年齢が上がるにつれて、そのしっかりに磨きがかかってきました。勉強も得意、スポーツも得意、手先も器用。何か頼む時も、メーなら安心して頼めます。しっかり者のメーですが、大人に見てもらいたい気持ちは人一倍あって、ちょっと拗ねやすいところも。小さい頃から手のかからない子は、その分寂しい思いをしていることもあるかもしれませんが、強い心を持ってこれからも才能をどんどん伸ばしていってほしいと思います。
【ゲン】(10歳)
とーーーってもシャイで、私が来てしばらくは目も合わせてくれなかったゲン。でも、本当はおしゃべり大好きで、今ではしゃべり出したら止まりません。にこにこしながら、楽しそうに話します。日本語にも興味があり、学校から帰ってきた時「おかえり」と声をかけると「ただいま!」と挨拶できます。サッカーの才能がキラリと光るゲン。これからもサッカーを頑張って、将来サッカー選手に!と期待します。
【ガムペーン】(11歳)
この3年で急激に背が伸びたガムペーン。眉毛が八の字で、ちょっと情けない表情だった男の子が、今はペットの次のお兄ちゃんとして自信がついてきました。ゲンも同じ学年ですが、体格のせいかなんとなくガンペーンの方がお兄ちゃん感があります。デーンはガムペーンが大好きで、初めの頃はガムペーンについて回っていました。
【モップ】(9歳)(ネンの弟)
控えめですが、とても賢い男の子。声が高いのは3年前から変わらず。声変わりしたら、どんなふうになるか想像がつきません。絵を描くのが大好きで、絵を書く時はものすごい集中力を発揮します。記憶力が良くて、何年も前にホームを訪問した日本人の名前を憶えていて驚きました。
【ネン】(14歳)(モップの姉)
大きいお姉ちゃんと下の妹たちに挟まれて、たぶん肩身の狭い思いをしているのではないかと想像しています。3年前には大きいお姉ちゃんグループにも入れず、かといって小さい子とは年が離れていて話も合わない、というところから、今は晴れてお姉ちゃんグループとして周りからも認められるようになってきました。一時は日本語に興味がありましたが、最近は英語の勉強を頑張っています。
【アーパーイ】(16歳)
気持ちの浮き沈みが激しいかなと思うことがありましたが、この3年で精神的にとても成長し、落ち着きのあるとても美しい女の子に。学校の長期休みにホシハナヴィレッジでアルバイトをしたこともありましたが、今は進んで縫製場でのアルバイトを選んでいます。一時は、物憂げな表情で静かな時期もありましたが、今はまたアーパーイのとびきりの笑顔が戻ってきました。2019年12月の山岳民族支援プロジェクトに参加してからは、日本語に興味を持ち、ひらがなの読み書きの勉強を始め、熱心に単語を覚えています。これからも頑張って勉強を続けてほしいと思います。
【ペット】(16歳)
3年前(中2)は、まだ私より背も低く、幼い感じがありましたが、この3年でぐっと大人びました。中3から高1にかけては、あまり口をきかなくなって、ホームに携帯電話を持ちこんだり、ルール違反も多かったです。しかし、そんななかでも小さい子たちの面倒をよく見るペットにはいつも感心していました。最近は、反抗期も終わったようで、にこやかに挨拶し、いろいろ話しかけてくれるようになりました。嬉しいです。先日のクリスマス会の時にも、途中でトイレに行きたい子をその度にトイレに連れて行ってあげたりして、ペットの優しさが光っていました。
【ニサー】(17歳)
クールなニサーは、賢くてものわかりの良い子。うなずきながら人の話をしっかり聞く姿勢が印象的。将来やりたいことを考えているようなので、その夢に向かってまい進してほしいと思います。
【ジンダー】(18歳)
明るく朗らかで、声も大きいけれど、けっこう小心者で人前で話すのは苦手なジンダー。3年前にジンダーの中学校の卒業式に行きましたが、この春にはもう高校を卒業します。表情も大人びましたが、まだまだ幼さも垣間見える可愛いジンダーです。2019年12月の山岳民族支援プロジェクトに参加した時は、支援先の学校の子どもたちを並ばせたり、子どもにも大人の人にもお菓子をすすめて配ったり、積極的な姿が見られました。
今ホームにいる24名の子どもたちをご紹介しました。
そして、写真は控えますが、この3年の間にホームを巣立った子どもたちも紹介したいと思います。
【パーヌ】
訳あって、2017年3月に国立孤児院に戻ることになったパーヌ。ホームで一緒に過ごした時間は2ヶ月ほどでしたが、夕方一緒に卓球をしたことが良い思い出です。2019年のダムフアに来た時に2年ぶりに会って、あまりにも大人になっていたので、一瞬誰か分からないぐらいでした。元気にしているようで良かったです。
【ヌックニック】
おじいさんおばあさんに引き取られたニックニック。甘えん坊だったヌックニックは、家族のもとに帰りたくさんの愛情を受けて、幸せに暮らしていると思います。
【チョーク・チャイ・ノン】
おじさんおばさんに引き取られた三兄弟。時々ダムさんに電話をかけてきています。バーンロムサイの兄弟たちと一緒にサッカーをした日を懐かしんでいるようです。
【モーモー・サーサー】
おじさんおばさんに引き取られました。今も時々ベンさんがおばさんと連絡を取っていますが、元気に暮らしているようです。
【ベン・ペン】
小さい時からバーンロムサイでずっと一緒に育ってきた同じ学年のベンとペン。高校を卒業して、同じ大学に通っています。一ヶ月に一回、奨学金の受け取りのサインをしにホームに来ていますが、大学生活を謳歌しているようです。2人ともより美しく/ハンサムになりました。でも、中身はまだまだ子ども。ノイさんにしょっちゅうお説教されています。
【ウッディー】
フランスに養子に行ったウッディー。その後の様子は聞いていませんが、新しいお父さんお母さんに愛されて、幸せに暮らしていると思います。ウッディーにはもう会うことはないかなと思うと、余計に会いたい気持ちが募ります。
それから、子どもたちを見守る大人たち。
【子どもたちを一番近くで見守り、育てている保母・保父・先生】
小さい子どもたちは本当に可愛いですが、たまに一緒にいて遊ぶのと、ずっと一緒にいて面倒を見るのは全く違う話です。これだけたくさんの子どもたちがいて、洗濯、掃除、送り迎え、ごはん、シャワー、、、息つく暇もない仕事の中で、怒りたくなる時もあるでしょう。忍耐強く子どもたちを見守り、教え、育てる姿にいつも頭の下がる思いです。
左から、オット先生、コムさん、レックさん、プーさん、フォーさん、プレオさん、ニーさん
【子どもの家を支える事務所のスタッフ】
ウェウ先生は、開園当初から子どもたちを見守り、財団を守ってきた力強いお母さん。
ダムさんは、おっちょこちょいで、忘れっぽくて、物もすぐになくすけど、憎めないお父さん。
ノイさんは、お金の管理や職員の社会保険、様々な書類の管理など、事務仕事を一手に引き受ける頼もしい存在。
ベンさんは、様々な公共プロジェクトを仕切り、子どもたちの学校のこと、日本人スタッフのビザのこと、幅広く仕事を受け持ち、かつ責任感を持って対応してくれます。
事務所は、主にノイさん、ベンさんと日本人スタッフで仕事をしていますが、私にとっては本当にお姉ちゃん、お兄ちゃんのような存在でした。
↑子どもに水を飲ませるダムさん
←ノイさん、ウェウ先生、ベンさん
【キッチンスタッフ ルンさん&ワーンさん】
毎日休みなく、子どもたちとスタッフにごはんを作ってくれるルンさんとワーンさん。子どもたちは荷物を運んで、トウモロコシのご褒美をもらうのを楽しみにしています。大人用のごはん、子ども用のごはんを別々に準備したり、朝早くからの買い物、重い荷物を運ぶなど、体力的に大変な仕事だと思いますが、毎日笑いながら、美味しいごはんを作ってくれるありがたい存在です。
子どもたちの育てた空心菜を調理
息ぴったりでサイウアを作っているところ
【犬たち】
そして、ホームの番犬バブーとトゥンタオ。いつも子どもたちを優しい眼差しで見守っています。3年前は、誰にでも吠えかかり、怖がられる犬でしたが、いつからかとても優しく穏やかな犬になりました。
バブー
トゥンタオ
朝子どもたちを見送るトゥンタオとバブー
それから、ホシハナのスタッフ、大工さん、庭師さん、縫製場のスタッフのみなさん、図書館に通っている村の子どもたち、そして日本とチェンマイの日本人スタッフ、ホームに見学に来てくださった多くの方、、、ここには書ききれないたくさんの人たちとの思い出がいっぱいです。こんなにたくさんの人に見守られ、愛されて育つ子どもたちはきっと幸せだと思いますし、大人たちは子どもからたくさんの元気をもらっています。
たった3年間かもしれませんが、ここにいた3年間にたくさんの宝物をもらいました。それはやはり子どもたちの笑顔、一緒に働く人たちとの心のつながりです。
なかなか会えなくなるのは寂しいことですが、これからも子どもたちが健やかに育つよう心から願っています。
山下曜子 | 2020/01/30(木)
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